同人音声の海外販売ガイド:DLsite English・多言語展開の始め方

同人音声の海外販売方法を解説。DLsite Englishへの出品、多言語対応、海外市場の特徴と注意点をまとめました。

by ぬまぬま

海外にもリスナーがいるんです

ぬまぬまです。「同人音声って日本だけのものでしょ?」と思ってる方、実はそうでもないんですよ。ASMR文化が世界的に広がった影響もあって、日本の同人音声に興味を持つ海外ユーザーが増えてきていると言われています。

僕も最初は「海外販売なんて大手サークルがやることでしょ」と思ってたんですが、試しにDLsite Englishに出してみたら、想像以上に反応があって驚きました。英語がめちゃくちゃ苦手な僕でもなんとかなったので(中学英語レベルです、マジで)、この記事が海外展開の第一歩になれば嬉しいです。

海外市場の現状

ASMR人気の世界的な広がり

YouTubeのASMR動画は世界中で数十億回再生されていて、ASMR関連のコンテンツへの需要は年々拡大しています。その流れで、日本発の同人音声に注目する海外リスナーも増えてきているんですよね。

特に東アジア(韓国、台湾、中国)と英語圏(北米、欧州)からの需要が大きいと言われています。「Japanese ASMR」「Japanese voice work」といったキーワードで作品を探すユーザーが一定数いて、日本語がわからなくても音で楽しめるという理由でASMR系作品は特に人気があります。

なぜ今、海外展開なのか

  • 市場の拡大: 海外のASMR・音声作品の需要が成長している
  • 競争の少なさ: 海外展開している日本の同人サークルはまだそこまで多くない
  • 追加コストの低さ: 既存の作品をそのまま出品できる場合もある
  • DLsite Englishの整備: プラットフォーム側の多言語対応が進んでいる

DLsite Englishの概要

日本版との違い

DLsite Englishは、DLsiteの英語版プラットフォームです。基本的な仕組みは日本版と同じですが、いくつか違いがあります。

項目DLsite(日本版)DLsite English
表示言語日本語英語(他言語対応あり)
ユーザー層日本国内中心海外ユーザー中心
通貨日本円USドル等(地域による)
作品紹介文日本語英語(日本語のみでも出品可)
翻訳サポート自動翻訳機能あり
レーティング基準日本の基準国際的な基準に準拠

自動翻訳機能について

DLsite Englishには作品紹介文の自動翻訳機能があります。日本語で書いた紹介文が自動的に英語に変換されるので、英語ができなくても出品自体は可能です。

ただし、自動翻訳の精度には限界があるので、余裕があれば英語の紹介文を自分で用意するか、翻訳ツールで補正するのがおすすめです。特にニュアンスが大事な部分(シチュエーションの説明など)は、機械翻訳だと微妙に伝わらないことがあります。

海外販売を始める手順

1. DLsite Englishへの申請

日本版DLsiteでサークル登録済みの場合、DLsite English(英語版サイト)への作品公開は比較的スムーズに手続きできます。

  1. DLsiteのサークル管理画面にログイン
  2. 海外販売(英語版サイトへの公開)の設定を確認
  3. 作品ごとに海外販売の可否を設定
  4. 必要に応じて英語版の紹介文を入力

2. 作品の出品

既存の作品をそのまま海外向けに出品できます。音声ファイル自体は日本語のままでOKです(ここ重要)。ASMRや環境音、癒し系などの非言語コンテンツは、言語の壁がほぼありません。

出品時に追加・調整するとよいもの。

項目対応レベル備考
音声ファイルそのままでOK日本語音声のまま出品可能
作品タイトル英語タイトルを追加推奨検索性が大幅に上がる
紹介文英語版を用意推奨自動翻訳でも最低限はカバーされる
サムネイルそのままでOK画像は言語に依存しない
タグ英語タグを追加推奨海外ユーザーの検索に対応

3. 審査

海外版の審査は日本版と同様の流れです。ただし、国際的なレーティング基準に照らした追加チェックが入る場合があります。審査期間は日本版よりやや長くなることもあるので、余裕を持って申請しましょう。

多言語対応のコツ

タイトルの英語化

タイトルは海外ユーザーが最初に目にする情報なので、ここは英語にした方がいいです。

日本語タイトル例英語タイトル例
甘やかし耳かき ~安眠のお手伝い~Sweet Ear Cleaning Helping You Sleep
雨の日のささやきASMRWhispering ASMR on a Rainy Day
お姉さんの添い寝ボイスBig Sister's Sleep-Together Voice

ポイントは、海外で検索されやすいキーワードを含めることです。「ASMR」「ear cleaning」「whisper」「sleep」「relaxation」などは検索ボリュームが大きいので、タイトルに自然に含められると強いです。

紹介文の英語化

紹介文は自動翻訳に頼ることもできますが、可能なら翻訳ツール(DeepL等)で下訳を作って、自分で微調整するのがベストです。

英語の紹介文で押さえるべきポイント。

  • シチュエーションの説明: 何が起きるのかをわかりやすく
  • 音の特徴: どんなASMRトリガーが含まれているか
  • トラックリスト: 各トラックの内容を英語で簡潔に
  • 再生時間: 総尺を明記

<CalloutBox type="tip">英語の紹介文を書くのが難しければ、最低限「トラックリスト(英語)」と「作品の概要(2〜3文)」だけでも用意しましょう。海外ユーザーにとっては、英語の情報が少しでもあるだけで購入のハードルがぐっと下がります。</CalloutBox>

タグの最適化

海外向けのタグは、英語で検索されるキーワードを意識して設定します。

ジャンルおすすめ英語タグ例
耳かきear cleaning, ear pick, ear massage
添い寝sleep together, bedside, sleeping
ささやきwhisper, whispering, soft voice
マッサージmassage, head massage, shoulder massage
環境音ambient sound, nature sounds, rain sounds
癒しhealing, relaxation, comfort

海外ユーザーの好みの傾向

日本市場との違い

僕が海外販売をやってみて感じた傾向をまとめます。あくまで個人の感覚なので、参考程度に。

要素日本市場海外市場
人気ジャンル耳かき、添い寝、シチュエーションASMR全般、環境音、ロールプレイ
音声の好みセリフ重視音(SE)重視の傾向
作品の長さ1〜2時間が主流30分〜1時間でも受け入れられやすい
価格感覚相場が確立している相場がやや流動的
レビュー文化丁寧なレビューが多い短いコメントが多い

海外で特に受けやすいジャンル

  • ASMR系: 耳かき、タッピング、ささやき——言語に依存しない音声は圧倒的に強い
  • 環境音・癒し系: 雨音、焚き火、自然音との組み合わせ
  • バイノーラル録音: 立体音響への関心が高い
  • ロールプレイ: 日本語がわからなくても雰囲気で楽しめるもの

逆に、セリフが重要な作品は言語の壁が大きいです。ストーリー重視の作品は日本語がわかるユーザーに限られるので、海外向けにはASMR要素が強い作品の方が反応が良い印象です。

収益面の話

為替の影響

DLsite Englishでの売上はUSドルベースで計算されることが多いです。円安の時期は実質的な手取りが増えるので、為替動向も多少は意識しておくといいかもしれません(とはいえ、為替を理由に販売タイミングを変えるほどではないですが)。

手数料について

手数料率は日本版DLsiteと基本的に同じ水準です。海外決済特有の手数料が追加される場合があるので、詳細は公式の料率表を確認してください。

売上の受け取り

海外版の売上も日本版と同じサークル口座に振り込まれます。別途海外用の口座を用意する必要はないので、ここのハードルは低いです。

注意点

法規制の違い

国や地域によって、コンテンツの規制基準が異なります。

  • 成人向けコンテンツ: 国によって基準が厳しい場合がある
  • 表現規制: 一部の表現が特定の地域で問題になる可能性
  • 年齢確認: 海外プラットフォームの年齢確認基準に準拠

DLsite Englishはプラットフォーム側でレーティングや規制対応をしてくれる部分が大きいので、個人サークルが全部把握する必要はありません。ただし、作品が審査で引っかかる場合はあるので、ガイドラインは事前に確認しておきましょう。

文化的な配慮

日本では一般的な表現やシチュエーションでも、海外では受け止め方が異なる場合があります。過度にセンシティブになる必要はないですが、国際的な感覚を多少は意識しておくと良いです。

レーティング基準

DLsite Englishでは、日本版よりも細かいレーティング分類が適用される場合があります。作品の内容に応じて適切なレーティングを設定することが重要です。

海外向けリンクの活用

海外ユーザー向けにSNSで作品を紹介する際は、DLsite Englishへのリンクを使いましょう。当サイトのリンク生成ツールで海外版のリンクも生成できます。

海外向けのSNS発信で意識するポイント。

  • 英語のハッシュタグを使う: #ASMR #JapaneseASMR #DLsite #voicework
  • 英語の簡単な説明を添える: 「New release! Ear cleaning ASMR with binaural recording.」程度でOK
  • 投稿時間を海外に合わせる: 北米向けなら日本時間の午前中(北米の夜)が効果的

よくある質問

Q. 英語ができなくても海外販売できますか?

A. できます。DLsite Englishの自動翻訳機能があるので、紹介文を日本語で書くだけでも出品は可能です。ただし、タイトルだけは英語を用意した方が検索で見つけてもらいやすくなります。タイトルの英訳はDeepLなどの翻訳ツールで十分対応できますよ。僕も最初はそれでやりました(今もそんなに変わってないですけど)。

Q. 海外向けに作品の内容を変える必要はありますか?

A. 基本的には不要です。既存の日本語音声作品をそのまま出品できます。ただし、海外市場で特に反応が良いジャンル(ASMR系、環境音系)を意識して次回作を企画するのはアリだと思います。わざわざ英語音声を収録する必要はなくて、日本語の音声自体が海外ユーザーにとっての魅力になっている面もあります。

Q. 海外販売の売上はどのくらい期待できますか?

A. サークルの知名度やジャンルによって大きく異なりますが、最初から大きな数字を期待しない方がいいです。日本市場での売上に対して1〜2割程度の上乗せがあれば上出来、くらいの感覚で始めるのがおすすめです。ただ、ASMR系で海外に刺さる作品を出せると、日本以上に売れるケースもあると聞きます。

Q. 海外ユーザーからの問い合わせには英語で対応する必要がありますか?

A. 基本的な問い合わせはDLsite側が対応してくれます。ただし、SNSで直接メッセージが来ることはあります。翻訳ツールを使えば簡単な対応は可能です。「Thank you for listening!」くらいの返信ができれば十分だと思います。

まとめ——海外市場は「やらない理由がない」

同人音声の海外販売は、思っているよりハードルが低いです。既存の作品をそのまま出品できるし、英語ができなくても翻訳ツールでなんとかなるし、追加コストもほぼかからない。やらない理由を探す方が難しい。

最初のステップは、DLsite Englishで既存作品の海外販売を有効にするだけです。それだけで海外のASMRファンに見つけてもらえる可能性が生まれます。

リンク生成はリンク生成ツールを活用して、海外向けのSNS発信も少しずつ試してみてください。DLsiteでの販売全般についてはDLsite販売完全ガイド、プラットフォーム選びはDLsite vs FANZA比較も参考になると思います。

日本の同人音声は、世界に通用するコンテンツです。僕たちが思っている以上に、海の向こうにリスナーがいます。

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