同人音声の初リリース前チェックリスト:見落としがちな30項目
同人音声の初めての販売前に確認すべき30項目のチェックリスト。作品品質、販売ページ、プロモーション、法務まで網羅的にまとめました。
初めてのリリース、不安しかないですよね
ぬまぬまです。初作品を公開するとき、僕は「何か見落としてないか」が不安すぎて3日くらい公開ボタンを押せませんでした(生産性ゼロ案件その2)。
結果的に見落としてたことは実際にありました。それもけっこう恥ずかしいやつ。この記事はあのときの僕に届けたいチェックリストです。
全部で30項目あります。「多すぎない?」って思うかもしれないんですが、一つ一つはシンプルな確認事項です。完璧を求めるためのリストではなくて、**「これだけ確認しておけば致命的な見落としは防げる」**という安心材料として使ってください。
全体のチェックは同人音声チェックリストでまとめて確認できるので、手動で一つずつ見るのが面倒な方はそちらもどうぞ。
作品品質チェック(10項目)
1. 全トラックの音量バランスは統一されているか
トラックごとに音量がバラバラだと、聴いてる途中で音量を調整しなきゃいけなくなって、没入感が一瞬で吹き飛びます。ラウドネス値(-14〜-16 LUFS目安)を揃えてください。
2. ノイズは除去されているか
背景ノイズ、エアコンの音、PCのファン音、マウスのクリック音……。収録環境のノイズは編集段階でしっかり除去しましょう。自分では気にならなくても、イヤホンで聴くと意外と目立ちます。
3. 音割れ・クリッピングはないか
ピーク値が0dBを超えていないか確認。音割れした音声は一発でクオリティが下がります。ピークは-1dB以下に抑えるのが安全です。
4. 無音部分は適切か
不自然に長い無音がないか。逆に、間(ま)が足りなくてセリフが詰まりすぎていないか。特にトラックの冒頭と末尾の無音時間は意識して確認してください。
5. SE(効果音)のタイミングは合っているか
耳かき音、環境音、ドア音などのSEが、セリフと自然なタイミングで鳴っているか。ズレてるSEほど違和感のあるものはないです。
6. ファイル形式は適切か
DLsiteの推奨形式を確認してください。MP3の場合はビットレートも要確認。WAVとMP3の両方を同梱するのが親切ですが、ファイルサイズとの兼ね合いもあるのでどちらか一方でも問題ありません。
7. トラック分けは適切か
長い作品を1つのファイルにまとめると聴きにくいです。シーンごとにトラックを分けましょう。逆に細かすぎると管理が大変なので、5〜15分程度のトラックに分けるのがちょうどいい塩梅です。
8. ファイル名は整理されているか
「01_導入.mp3」「02_本編.mp3」のように、再生順がわかるファイル名にしてください。「track_final_v3_修正済み.mp3」みたいな名前のまま納品してしまうと……(経験者は語る)。
9. 最初から最後まで通しで聴いたか
編集中は部分的に聴きがちですが、必ず通しで、できればイヤホンで聴いてください。通して聴かないと気づけない問題(トラック間の音量差、ストーリーの違和感など)があります。
10. 別の再生環境でも確認したか
編集で使ったヘッドフォン以外でも確認しましょう。スマホのイヤホン、PCのスピーカーなど。環境が変わると印象がかなり変わることがあります。
販売ページチェック(10項目)
11. タイトルは魅力的か
DLsiteの一覧で目に留まるタイトルになっているか。ジャンルとシチュエーションが伝わるか。長すぎないか(40文字以内が目安)。タイトルは作品の第一印象です。
12. 紹介文は十分な情報量か
作品の内容、尺、トラック構成、シチュエーション、声優情報などが書かれているか。1,000文字以上を目安に、ユーザーが購入判断できる情報を盛り込みましょう。
13. 紹介文に誤字脱字はないか
地味ですが大事です。誤字脱字があると「作品のクオリティも雑なのでは?」と思われかねません。書いたらしばらく置いて、時間をあけて読み直すのがおすすめです。
14. サムネイル画像は目を引くか
DLsiteの一覧ページで、他の作品に混じったときに目立つデザインか。文字は読めるサイズか。解像度は足りているか(560x420px推奨)。サムネイルはサムネイルガイドも参考にしてみてください。
15. サンプルボイスは用意したか
サンプルボイスの有無で購入率は大きく変わります。30秒〜1分程度で、作品の魅力が一番伝わる部分を切り出してください。ネタバレしすぎず、でも「続きが聴きたい」と思わせるバランスが理想です。
16. タグは適切に設定したか
最低5つ、できれば10個以上。ジャンルタグ、シチュエーションタグ、キャラクタータグをバランスよく設定しましょう。作品タグ生成ツールで候補を出してみるのも手です。
17. ジャンル・カテゴリの選択は正しいか
DLsiteのジャンル・カテゴリ設定が作品内容と合っているか確認。間違ったカテゴリに登録すると、ターゲットユーザーに届きません。
18. 価格設定は妥当か
競合作品と比較して、尺と品質に見合った価格になっているか。初作品なら相場よりやや安めが安全です。DLsiteで同人音声を販売する完全ガイドも参考にしてください。
19. 年齢指定は正しいか
全年齢向け・R-18の区分が作品内容と合っているか。ここを間違えると審査で差し戻しになるだけでなく、信頼にも関わります。
20. 作品紹介画像は複数枚あるか
サムネイル以外にも、トラック構成の説明画像やシーンイメージを用意すると購入率が上がります。テキストだけの紹介ページより、画像が入っている方が圧倒的に見やすいです。
プロモーション準備チェック(5項目)
21. SNS告知文は準備したか
X(Twitter)での告知文を事前に用意しておきましょう。作品名、ジャンル、価格、DLsiteリンク、サムネイル画像を含めた告知ツイートのテンプレを作っておくと、公開日にバタバタしないで済みます。
22. Ci-enの投稿は準備したか
Ci-en(DLsite連携のファンクラブ)で制作過程の投稿や、公開告知の投稿を準備しましょう。リリース前からCi-enで制作日記を書いておくと、公開時の初速が変わります。 0から始めるなら、遅くとも公開1週間前には1本投稿しておきたいところです。
23. 告知画像は用意したか
SNS用の告知画像を用意しましたか。サムネイルをそのまま使ってもいいですが、SNS用にテキストを足した画像を別途作ると目立ちます。
24. 公開日時は決めたか
DLsiteは公開日時を指定できます。深夜より日中の方がアクセスが多い傾向があると言われています。また、金曜日〜土曜日の公開が初動に有利という説もあります。週末にゆっくり聴いてもらえるタイミングですね。
<CalloutBox type="tip">大手サークルの新作リリースと被ると注目が分散するので、DLsiteの新作一覧をチェックして、可能であれば被りを避けるのも一つの手です。ただし気にしすぎて公開が遅れるくらいなら、気にせず出しましょう。</CalloutBox>
25. 発売後のSNS運用計画はあるか
公開日に1回告知して終わり、だとすぐに埋もれます。発売日、翌日のお礼ツイート、1週間後の振り返り、レビューへの感謝——最低でもこの4回は発信するつもりでいてください。
法務・事務チェック(5項目)
26. readme.txtは同梱したか
作品ファイルに同梱するreadme.txt。内容は、作品名、サークル名、連絡先、注意事項(無断転載・再配布禁止等)、クレジット。これを忘れると、万が一のトラブル時に困ります。
27. 素材の利用規約は確認したか
使用したSE素材、BGM素材、イラスト素材の利用規約をすべて確認しましたか。商用利用可能か、クレジット表記は必要か。フリー素材でも「商用利用不可」のものがあるので要注意です。
28. 声優さんとの契約内容は問題ないか
声優さんへの依頼時に、使用範囲(販売プラットフォーム、販売期間等)を明確にしているか。後から「FANZA でも出したい」となったときに、事前に合意を取っていないとトラブルになります。
29. クレジット表記は漏れなく記載したか
声優さん、イラストレーターさん、SE制作者……関わった方のクレジットを紹介文またはreadme.txtに記載しているか。クレジット漏れは信頼問題です。依頼時の表記要望も確認してください。
30. 確定申告の準備は意識しているか
収益が出たら確定申告が必要です。初作品の段階で意識しておくのは早すぎないです。経費の領収書は初めから保管しておきましょう。声優依頼費、イラスト依頼費、ソフトウェア費用、機材費——これらは経費になります。
僕が1作目で見落としたこと
正直に書きます。
ファイル名が編集段階の仮名称のままでした。 「track03_edit_final_FINAL.mp3」みたいなファイル名で配信してしまったんですよね。購入してくれた方から丁寧にご指摘をいただいて、即修正しました。(あの方には感謝してもしきれません)
あと、readme.txtを入れ忘れました。「まあなくても困らないでしょ」と思ってたんですが、あとから素材のクレジット表記をどこに書くか問題が発生して、結局アップデートで追加しました。
さらに言うと、サンプルボイスを用意していませんでした。「作品を買えばわかるでしょ」と思っていた過去の自分を殴りたいです。サンプルボイスなしで買ってくれる人なんてほぼいません。
全部、このチェックリストにある項目です。事前に確認していれば防げたことばかり。だからこそ、僕はこのリストを作りました。
よくある質問
Q. 全部クリアしないとリリースしちゃダメですか?
そんなことはないです。 このリストは「致命的な見落としを防ぐため」のものであって、「全項目クリアしないと出す資格がない」という話ではありません。正直、完璧にクリアするのは僕でも毎回はできません。
優先度で言うと、作品品質チェック(1〜10)と法務チェック(26〜30)は必ず確認。販売ページチェック(11〜20)は高い優先度で対応。プロモーション準備(21〜25)は「できればやっておきたい」レベルです。
Q. 後から修正できる項目はどれですか?
DLsiteでは公開後も以下の修正が可能です。
| 項目 | 修正可否 |
|---|---|
| 作品ファイル(差し替え) | 可能 |
| 紹介文 | 可能 |
| タグ設定 | 可能 |
| 価格 | 可能 |
| サムネイル画像 | 可能 |
| タイトル | 可能(ただし頻繁な変更は非推奨) |
| 年齢指定 | 要問い合わせ |
ほとんどの項目は後から修正できます。 だから「完璧じゃないからリリースできない」と悩む必要はないです。致命的な問題(音割れ、素材の利用規約違反等)だけは事前に潰して、あとは出してから改善していきましょう。
Q. チェックは一人でやるべきですか?
できれば信頼できる人に聴いてもらうのがベストです。自分では気づけない問題(音量バランス、ストーリーの違和感、紹介文の誤字)を第三者が見つけてくれることがあります。同人音声仲間がいればお互いの作品をチェックし合うのもいいですね。
最後に
30項目、多いようで一つ一つはシンプルです。リリース前の30分をこのチェックに使うだけで、公開後の「しまった……」を大幅に減らせます。
もう一度言いますが、完璧を求めるリストではないです。「出す前にこれだけは確認しておこう」という最低限の安全ネットです。制作過程の全体像は同人音声の作り方完全ガイドにまとめてあるので、初作品に取り組んでいる方はあわせて読んでみてください。
初リリース、応援しています。 公開ボタンを押すのは怖いですが、押した先にはめちゃくちゃ楽しい世界が待ってますよ(3日悩んだ男が保証します)。