同人音声の作り方完全ガイド:初心者から初リリースまで

同人音声を作りたい初心者に向けて、企画・台本作成・収録・編集・販売までの全工程を解説。最小限の投資で始められる実践的なガイドです。

by ぬまぬま

同人音声、作ってみたら意外とどうにかなりました

ぬまぬまです。「同人音声を作ってみたいけど、何から始めればいいの?」——この質問は本当によくもらいます。

正直に言います。台本の書き方も、声優さんへの依頼方法も、編集ソフトの使い方も、僕は最初なにひとつわからなかったです。でも作れました。しかもめちゃくちゃ楽しかった。初めての作品は企画から販売まで約2ヶ月。完璧じゃなかったけど、世に出せたんですよね(感動がすごかった)。

この記事では同人音声制作の全工程を、僕の実体験ベースで書いていきます。

全体の流れはこの5ステップです。

  1. 企画 — コンセプト・ジャンル・シチュエーション決め
  2. 台本作成 — セリフ・演技指示・SE指示の執筆
  3. 収録 — 声優さんへの依頼 or 自分で収録
  4. 編集 — ミキシング・マスタリング・SE追加
  5. 販売 — プラットフォームへの登録・告知

ステップ1: 企画——好きなジャンルで作るのが一番です

DLsiteで人気のジャンルを列挙するとこんな感じです。

  • 耳かき・耳舐め
  • 催眠
  • 癒し・安眠
  • シチュエーションボイス
  • ASMR

ここで僕が一番伝えたいのは、好きなものを作った方がいいですよということです。「売れそうだから」という理由でジャンルを選ぶと、台本の途中で確実に心が折れます(経験者は語る)。好きなジャンルなら苦しい工程でもモチベーションが続きますし、聴き手にも熱量が伝わるんですよね。売れ線を追って好きでもないものを量産するよりも、好きなジャンルで1作を丁寧に作った方が結果的に良い作品になると思ってます。だって、続けられないと意味がないので。

ターゲットを先に決めておくと楽です

誰に聴いてほしいのか、どんな気分のときに聴いてほしいのか、聴いた後にどんな気持ちになってほしいのか。これを企画段階で決めておくと台本の方向性がブレないのでおすすめです。僕は「仕事で疲れた人が寝る前に聴いて、ほっとする作品」みたいなざっくりしたイメージから始めることが多いです。

尺の目安

初めての作品は30分〜1時間くらいがちょうどいいと思います。

メリットデメリット
〜30分制作負担が軽い価格を上げにくい
30分〜1時間バランスが良い
1時間〜2時間充実感がある制作期間が長い
2時間以上プレミアム感声優さんの負担大

短すぎると物足りないですし、長すぎると完成しません(僕は最初2時間の大作を作ろうとして途中で力尽きかけました)。初めてなら30分〜1時間がベストです。

ステップ2: 台本——正直、ここで作品の8割が決まります

台本が同人音声制作の中で一番重要な工程だと感じてます。サムネやSEやマスタリングも大事なんですが、台本がダメだと他のすべてが台無しになるんですよね。逆に台本が良ければ、多少の粗は許されます(ありがたい)。

同人音声の台本は、普通の小説やシナリオとはちょっと違います。

基本要素は4つです。セリフ(キャラが話す内容)、演技指示(声のトーン・感情。例:「(優しく囁くように)」)、SE指示(効果音のタイミング。例:「SE: 耳かきの音」)、間(ま)指示(無音の間を入れる指示)。

初めて台本を書くなら台本テンプレートから始めるのが効率的です。基本構成が組まれてるので、内容を埋めていくだけで形になります。ゼロから書くより圧倒的に楽ですよ。

文字数の目安

台本の文字数と収録時間の関係はこちらです。台本の文字数カウントで確認できます。

収録時間台本文字数(目安)
10分2,000〜3,000文字
30分6,000〜9,000文字
1時間12,000〜18,000文字

目安です。セリフの密度や間の取り方で結構変わります。

ネタに困ったら台本・セリフ生成ガチャを回してみると、意外な切り口が見つかることがあります。僕もたまにお世話になってます(ネタ切れは日常茶飯事)。

ステップ3: 収録——声を形にする

声優さんに依頼する場合

収録方法は主に2つあります。

声優さんに依頼するパターンでは、SNSや依頼サイトで募集するのが一般的で、文字単価は1〜5円/文字が相場(経験・実績による)。宅録(自宅収録)が主流になっています。

もう1つは自分で収録するパターン。初期投資は必要ですが、継続的なコストは下がります。自分のペースで録れるのも利点です。

僕は声優さんに依頼するのがメインです。正直に言うと、プロの声優さんの演技で自分の台本が化ける瞬間は本当に感動します。「こういう意味で書いたセリフが、声に乗るとこんな表現になるのか」という驚きがあるんですよ。台本を書いて一番報われる瞬間がここです。筆立ちぬ。(違う)

自分で収録する場合の機材

機材予算目安おすすめ
コンデンサーマイク5,000〜30,000円AT2020(エントリー)
オーディオインターフェース10,000〜30,000円Focusrite Scarlett Solo
ヘッドフォン5,000〜15,000円SONY MDR-CD900ST
ポップガード1,000〜3,000円
マイクスタンド2,000〜5,000円

約25,000円あれば始められます。意外と安いです。

収録環境のポイント

静かな部屋が必須です(エアコンOFF推奨。夏は地獄)。反響を抑えるためにカーテンや毛布で簡易防音するといいです。マイクとの距離は15〜20cm程度、ポップガードでパ行の破裂音を抑えます。特別な設備がなくても、この4点を押さえれば十分な品質が出せますよ。

ステップ4: 編集——地味だけどめちゃくちゃ大事です

ソフト選び

ソフト価格特徴
Audacity無料初心者向け、基本的な編集
REAPER$60高機能、コスパ最強
Adobe Audition月額2,728円プロ仕様、ノイズ除去が強力
Studio One(無料版)無料DAWとしても使える

僕のおすすめは、Audacityから始めて慣れたらREAPERに移行する流れです。この組み合わせがコスパ的に最強だと思ってます。

編集の基本工程

  1. ノイズ除去: 背景ノイズを除去
  2. 無音部分のカット: 不要な間をカット
  3. 音量調整: トラック間の音量バランスを統一
  4. SE追加: 効果音の挿入とタイミング調整
  5. マスタリング: 全体の音量・音圧を最終調整

マスタリングは本当に大事です

ラウドネスは-14〜-16 LUFSを目標にするのがおすすめです。ピークは-1dB以下に抑えて、全トラック聴き比べて違和感がないか確認します。

ここを雑にすると、トラックごとに音量がバラバラで聴きづらい作品になってしまいます。僕の1作目がまさにそれでした。声優さんの素晴らしい演技を台無しにしてしまったという後悔は今でもあります(あの時間は戻ってこない)。

ステップ5: 販売準備——いよいよ世に出します

必要な素材

作品本体以外に必要なものです。

  • サムネイル画像 (560×420px)
  • 紹介文 (1,000文字以上推奨)
  • サンプルボイス (30秒〜1分程度)
  • readme.txt (利用規約・注意事項)
  • タグ設定 (5つ以上推奨)

公開前チェックリスト

同人音声チェックリストで漏れなく確認するのがおすすめです。

  • 全トラックの音量チェック
  • ファイル名の統一
  • サムネイル画像の品質確認
  • 紹介文の推敲
  • タグ・ジャンル設定
  • readme.txtの同梱
  • サンプルボイスの用意

プラットフォーム選び

販売先はDLsiteが一番おすすめです。詳しくはDLsiteで同人音声を販売する完全ガイドにまとめてあります。

複数プラットフォームを検討するなら、DLsite vs FANZA プラットフォーム比較も参考になると思います。

お金の話、正直にします

最小構成の費用

項目費用
台本作成0円(自分で書く)
声優依頼10,000〜30,000円
イラスト依頼5,000〜30,000円
効果音素材0〜5,000円
編集0円(自分で行う)
合計15,000〜65,000円

制作期間の目安

工程期間
企画1〜3日
台本作成3〜7日
声優依頼〜納品1〜4週間
編集3〜7日
販売準備1〜3日
合計約1〜2ヶ月

よくある質問

Q. 一人でも作れますか?

作れます! 台本・編集・販売を自分でやって、収録だけ声優さんに依頼するパターンが多いです。自分で声を当てるなら全部一人で完結できます。

Q. 初期投資はいくら?

声優さんに依頼する場合は1.5万〜6.5万円程度です。自分で収録するなら機材費として2.5万円〜。思ったより安くないですか?(僕は最初もっとかかると思ってました)

Q. 売れなかったらどうしよう?

正直、最初の作品で利益を求めない方がいいと思ってます。1作品を完成させて公開した、その事実自体にめちゃくちゃ価値があります。2作目、3作目と続ける中でクオリティは確実に上がりますよ。僕もそうでした。

Q. 著作権で気をつけることは?

  • 効果音素材のライセンスを確認する
  • 既存キャラの二次創作は各権利者のガイドラインに従う
  • オリジナル作品なら基本的に問題なし

完璧主義、僕も苦しみました

最後にこれだけ言わせてください。60点でリリースした方がいいです。

完璧な作品を目指して永遠に公開できないより、粗があっても世に出す方が100倍価値があると思ってます。僕の1作目は今見返すと粗だらけです。でもあの1作目がなかったら今のぬまぬまはありません。

台本をもう少し直したい、SEをもう1つ足したい、サムネをもう1回やり直したい——その気持ちはめちゃくちゃわかります。でもそれを繰り返してると一生リリースできないんですよね(僕がそうでした)。「まだ完璧じゃない」は完璧主義の罠です。60点でいいから出しましょう。残りの40点は2作目で取り返せます。

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