同人音声の外注完全ガイド:イラスト・声優・編集の依頼と進行管理

同人音声制作の外注方法を徹底解説。イラストレーター・声優・編集者への依頼の流れ、相場、契約のポイントをまとめました。

by ぬまぬま

一人でやる限界、ありますよね

ぬまぬまです。同人音声って「一人で全部できる」のが魅力だったりするんですが、やってみるとわかります。全部一人でやると、どこかで必ず品質の天井にぶつかる。

僕の場合、台本は自分で書けても、イラストは壊滅的だし、編集は「まあこんなもんかな……」レベルで止まってました。声優さんに至っては、自分で演じるという選択肢すらない(やったら事故る)。

外注って「お金がかかるから避けたい」と思いがちなんですが、実は逆で、適切に外注するほうが結果的にコスパが良いんですよね。自分が苦手なことに10時間かけて60点のものを作るより、得意な人に頼んで90点のものを仕上げてもらったほうが、作品全体のクオリティが上がる。しかもその10時間を台本に使えるわけです。

この記事では、外注の流れ・相場・注意点を全部まとめました。

外注できる工程一覧

同人音声制作で外注できる工程は思った以上に多いです。

工程相場感(目安)主な依頼先納期目安
イラスト(立ち絵)3万〜10万円前後Skeb, X(Twitter), pixiv2週間〜1ヶ月
イラスト(サムネのみ)1万〜5万円前後Skeb, ココナラ1〜3週間
声優1万〜5万円前後(尺による)X, 声優募集サイト1〜3週間
音声編集・MA1万〜3万円前後X, ココナラ1〜2週間
SE制作・フォーリー5千〜3万円前後X, ココナラ1〜2週間
台本・シナリオ文字単価1〜5円程度X, シナリオ募集2週間〜1ヶ月
ロゴ・デザイン5千〜3万円前後ココナラ, X1〜2週間

相場はあくまで目安です。クリエイターさんの実績や知名度、作業のボリュームによってかなり幅があります。安ければいいというものでもないし、高いからといって必ずしもクオリティが保証されるわけでもないのが難しいところです。

<CalloutBox type="tip">最初の外注は「イラスト」か「声優」がおすすめです。この2つは作品の印象を大きく左右するので、投資対効果が高いです。</CalloutBox>

イラスト依頼のコツ

依頼の流れ

イラスト外注は基本的にこの流れで進みます。

  1. クリエイター探し — pixiv、X、Skebで好みの絵柄を探す
  2. 依頼可否の確認 — DMやリクエストフォームで連絡
  3. 仕様の擦り合わせ — キャラ設定、ポーズ、表情、背景の有無
  4. ラフ確認 — 大まかな構図・ポーズをチェック
  5. 線画確認 — ここで大きな修正は入れにくくなる
  6. 彩色・仕上げ — 色味の微調整程度の修正
  7. 納品 — 高解像度PSD or PNGで受け取り

指示書を書こう

「お任せで!」は一見楽に見えて、実はトラブルのもとです。イメージの齟齬が発生すると、修正回数が増えてお互いに消耗します。

指示書に含めるべき情報はこのあたりです。

  • キャラクターの性格・設定(年齢、髪型、髪色、服装)
  • 表情のイメージ(笑顔、恥ずかしがり、etc.)
  • ポーズや構図の希望(参考画像があればベスト)
  • 使用用途(DLsiteサムネ、告知画像、作中CG等)
  • 画像サイズ・解像度
  • 修正回数の上限

当サイトのキャラクターシートを使えば、設定情報を整理して共有しやすくなるので、よかったら使ってみてください。

ラフの段階で全力で確認する

ここが一番大事です。ラフの時点なら構図もポーズも変更がきくんですが、線画に入ってからの大幅修正はクリエイターさんにとって相当な負担になります。ラフ確認のときに「まあいいか」で流すと、仕上がりを見て「思ってたのと違う……」になるパターンがけっこうあるので。

僕は最初の依頼でラフをよく見ずにOKを出してしまい、仕上がりで「あれ?」ってなった経験があります。修正をお願いしたんですが、先方も「ラフでOK出ましたよね」ってなるわけで……。あのときの気まずさは忘れられません。

声優依頼のコツ

声優さんへの依頼は同人音声の外注でもっとも重要なパートです。作品の根幹ですからね。

声優さんの探し方や依頼の流れについては同人音声の声優さんの探し方で詳しく書いているので、ここではポイントだけまとめます。

依頼時に伝えるべきこと

項目内容
台本の文字数・尺「約○文字、完成尺○分想定」
ジャンル・年齢指定全年齢 or R-18を明確に
キャラクター設定性格、口調、年齢のイメージ
納期余裕を持ったスケジュール
報酬金額と支払い時期
権利関係二次使用、クレジット表記
収録環境宅録 or スタジオ指定

リテイクの考え方

リテイク(再収録のお願い)は基本1〜2回まで、と最初に決めておくのが無難です。リテイクが多すぎると声優さんの負担になりますし、関係も悪くなります。ディレクションが曖昧だからリテイクが増えるパターンがほとんどなので、台本と指示を事前にしっかり作り込むことが最大のリテイク削減策だと思ってます。

編集外注のコツ

音声編集(MA)の外注は、地味に難しいです。なぜかというと、仕上がりイメージの言語化が難しいから。

伝え方のコツ

「いい感じにしてください」は禁句です(僕はやったことがある)。具体的に伝えるべきは以下です。

  • リファレンス作品: 「この作品の音の雰囲気に寄せてほしい」
  • SE(効果音)の種類と位置: タイムスタンプで指定
  • 音量バランス: ボイスとSEの比率イメージ
  • リバーブ等のエフェクト: どの程度かけるか
  • バイノーラル処理: 必要な場合はその旨と方向感

リファレンス作品を1〜2本提示するだけで、仕上がりの精度がめちゃくちゃ上がります。言葉で説明するより100倍伝わるので、これは本当におすすめです。

契約・支払いの注意点

ここをちゃんとやるかどうかで、トラブルの9割は防げます。

最低限決めておくこと

  • 報酬額と支払い方法: 銀行振込が一般的。前払い or 納品後払い
  • 納期: 具体的な日付で
  • 修正回数の上限: 「○回まで無料、以降は追加料金」
  • 権利の帰属: 著作権の譲渡 or 使用許諾
  • クレジット表記: 名義の確認
  • キャンセル条件: 途中キャンセル時の取り扱い

個人間のやり取りだからこそ、曖昧にしない方がいいです。口約束で進めて揉めた話は本当によく聞きます。DMのやり取りでもいいので、合意内容は文字で残すクセをつけてください。

請求書の扱い

外注費は経費になるので、請求書や領収書はきちんと管理しましょう。請求書テンプレートを使えば、必要事項が入った請求書をすぐに作れます。確定申告のときに泣かないためにも(僕は初年度に泣きました)。

<CalloutBox type="tip">インボイス制度の影響で、相手が適格請求書発行事業者かどうかも確認しておくと安心です。免税事業者からの仕入れは仕入税額控除に影響する場合があります。</CalloutBox>

進行管理のテクニック

外注先が増えると、スケジュール管理が一気に大変になります。

おすすめの管理方法

僕はGoogleスプレッドシートでこんな感じの表を作って管理してます。

工程担当者依頼日納期ステータス備考
イラストAさん1/102/10線画確認中ラフOK済
声優Bさん1/152/5収録待ち台本送付済
編集Cさん2/102/20未着手音声納品待ち

シンプルなんですが、これだけでも全然違います。Notion、Trello、なんでもいいです。頭の中だけで管理するのは絶対にやめた方がいい(2回やらかして学びました)。

スケジュールの組み方

外注で一番ハマるのが「前工程の遅れが後工程に波及する」パターンです。

理想的な進行順序はこうです。

  1. 台本完成
  2. 声優さんに台本送付&収録依頼(同時にイラスト依頼開始)
  3. イラスト納品 → サムネ・告知画像作成
  4. 音声納品 → 編集・MA作業
  5. 全素材揃う → 最終チェック → DLsite登録

ポイントはイラストと音声収録を並行して進めること。これで全体の期間をかなり短縮できます。あと、各工程に最低1週間のバッファを持たせてください。「ギリギリで大丈夫でしょ」って組むと、体調不良とか機材トラブルとかで簡単に崩壊します。

よくある質問

Q: 全部外注したらいくらかかる?

A: ざっくりですが、イラスト5万+声優3万+編集2万=10万円前後が一つの目安です。もちろんクオリティや作品規模で上下しますが、初めての外注ありの作品なら10万円前後は見ておくといいと思います。価格設定の記事で損益分岐点の考え方も解説しているので、あわせてどうぞ。

Q: 外注先とトラブルが起きたらどうする?

A: まずは冷静に、文字ベースでやり取りしてください。感情的なDMは絶対に送らないこと。合意内容と実際の納品物の差異を具体的に整理して、落としどころを探る。それでも解決しない場合は、第三者(共通の知人等)に相談するのも手です。ただ、契約段階でしっかり条件を決めておけば、大半のトラブルは未然に防げます。

Q: 継続依頼と単発依頼、どちらがいい?

A: 余裕があるなら継続依頼がおすすめです。お互いの仕事の進め方がわかってくるので、回を重ねるごとに効率が上がります。「この人にはこう伝えれば大丈夫」というのがわかるだけで、コミュニケーションコストが激減するんですよね。僕も声優さんとイラストレーターさんは継続でお願いしている方がいて、本当に助かってます。

Q: 外注費を抑えるコツは?

A: 駆け出しのクリエイターさんにお願いするのは一つの手です。相場より安めで受けてくれることがありますし、お互いに実績を作れるのでWin-Winになりやすい。ただし「安いから」だけで選ぶとクオリティリスクがあるので、必ずポートフォリオは確認しましょう。あとは自分でできる工程を増やすのも有効です。編集は学べばある程度できるようになるので。

まとめ

外注は「お金がかかるから怖い」という気持ち、よくわかります。僕も最初はビクビクしてました。でもやってみたら、作品のクオリティが明らかに上がって、制作自体が楽しくなったんですよね。

大事なのは、自分が注力すべき工程を見極めること。全部一人でやるのが偉いわけじゃなくて、良い作品を作ることがゴールなので。適切に人の力を借りながら、自分の強みに集中する。それが長く活動を続けるコツなんだなと、外注を経験してから強く思うようになりました。

請求書テンプレートキャラクターシートも活用しつつ、まずは一つの工程から外注を試してみてください。

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