同人音声の収録環境と機材ガイド:予算別おすすめセットアップ

25,000円から始められる同人音声の収録環境ガイド。マイク・オーディオIF・DAWの予算別おすすめ構成と、宅録で失敗しないための防音・吸音対策を実体験ベースで紹介。

by ぬまぬま
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どうもこんにちは、ぬまぬまです。

25,000円のエントリー構成から始められる同人音声の収録環境を、予算別のおすすめセットアップと宅録の防音・吸音対策とあわせて紹介します。

機材の話、沼です(サークル名的にも)。

「同人音声を作りたいけど、機材って何を買えばいいの?」という質問をよくもらいます。ネットで調べると「プロ用のこれがいい」「この機材は必須」とか色々出てきて、結局いくらかかるのかわからなくなるんですよね。

先に結論を言いますと、25,000円あれば十分始められます。 機材に金をかけすぎて作品を出す前に力尽きるのが一番もったいないので。完璧な環境は後から整えればいいんです。

必要な機材一覧

マイク・オーディオIF・ヘッドフォン・ポップガード・マイクスタンド・DAWの6つがあれば収録を始められます。

最低限これだけあればOK

機材役割予算目安
マイク音声の入力5,000〜50,000円
オーディオインターフェースマイクとPCの橋渡し10,000〜30,000円
ヘッドフォンモニタリング5,000〜15,000円
ポップガード破裂音(パ行)の軽減1,000〜3,000円
マイクスタンドマイクの固定2,000〜5,000円
DAW(録音ソフト)録音・編集0〜30,000円

あると嬉しいもの

機材役割予算目安
リフレクションフィルター反響の軽減3,000〜10,000円
ショックマウント振動ノイズの軽減2,000〜5,000円
デスクアーム型スタンド自由な角度調整3,000〜8,000円
吸音材部屋の音響改善5,000〜20,000円

予算別おすすめセットアップ

25,000円のエントリー構成でも十分な品質の作品が作れるので、機材に悩んで手が止まるのが一番もったいないです。

エントリー構成(約25,000円)——まずはここから

「とにかく始めてみたい!」って方はこれで十分です。

機材製品例価格目安
マイクaudio-technica AT2020約11,000円
オーディオIFFocusrite Scarlett Solo約10,000円
ヘッドフォンaudio-technica ATH-M20x約5,000円
ポップガード汎用品約1,000円
マイクスタンド卓上型約2,000円
DAWAudacity(無料)0円
合計約29,000円

この構成で十分な品質の同人音声が作れます。僕の周りでもこの構成からスタートしたサークルさんが多いですし、正直ここからでも全然戦えます。

ミドル構成(約60,000円)——品質にこだわりたくなったら

機材製品例価格目安
マイクaudio-technica AT2035約18,000円
オーディオIFFocusrite Scarlett 2i2約15,000円
ヘッドフォンSONY MDR-CD900ST約13,000円
ポップガード金属製約2,500円
マイクスタンドデスクアーム型約5,000円
リフレクションフィルター汎用品約4,000円
DAWREAPER約9,000円
合計約66,500円

MDR-CD900STはスタジオ定番のヘッドフォンです。音のバランスが正確で、編集作業がめちゃくちゃ捗ります。初めて使ったとき「今まで聴こえてなかった音がある……」と衝撃を受けました。これが沼の入口だった。

バイノーラル構成(約80,000円〜)——立体音響の世界へ

機材製品例価格目安
バイノーラルマイク3Dio Free Space約50,000円〜
オーディオIFFocusrite Scarlett 2i2約15,000円
ヘッドフォンSONY MDR-CD900ST約13,000円
マイクスタンドフロア型約5,000円
DAWREAPER約9,000円
合計約92,000円〜

バイノーラルマイクはお高いですが、DLsiteでは「バイノーラル」タグの作品は需要がとても高いです。投資対効果は十分期待できます。バイノーラル録音のテクニックや疑似バイノーラル化の方法はバイノーラル録音の基本と実践テクニックで詳しく解説しています。耳の形をしたマイクが届いたときの感動はひとしお。開封の儀で30分くらい眺めてしまいました。

マイクの選び方

同人音声なら繊細な音を拾えるコンデンサーマイクの単一指向性がおすすめで、迷ったらこれで間違いないです。

コンデンサー vs ダイナミック

項目コンデンサーダイナミック
感度高い(繊細な音を拾う)低い(環境ノイズに強い)
電源ファンタム電源必要不要
価格帯5,000〜100,000円3,000〜50,000円
同人音声向き◎(静かな部屋向け)○(ノイズが多い環境向け)

同人音声ならコンデンサーマイクがおすすめです。ASMR・耳かき系では繊細な音を拾えることが命なので。同人音声制作の全体像を把握したい方は同人音声の作り方完全ガイドも参考にしてください。ただし幹線道路沿いなど環境ノイズがひどい場合は、ダイナミックのほうが安定します。(僕は最初「コンデンサーの方が高いから良いんだろう」くらいの理解で買いました。結果的に合ってたけど、理由は全然わかってなかった)

指向性について

  • 単一指向性(カーディオイド): 正面の音を拾い、横・後ろのノイズを抑えてくれます。迷ったらこれで間違いないです
  • 双指向性: 前後の音を拾います。対談形式向き
  • 無指向性: 全方向の音を拾います。環境音収録向き

DAW(録音ソフト)の選び方

Audacity(無料)で始めてREAPER($60買い切り)に移行する流れが鉄板で、これ以上のコスパはないと思ってます。

ソフト価格難易度おすすめ度
Audacity無料初心者向け★★★★
REAPER$60中級者向け★★★★★
Studio One Prime無料初心者〜中級★★★
Adobe Audition月額2,728円中級〜上級★★★★
Logic Pro23,800円中級〜上級★★★(Mac限定)

初心者の方はAudacityから始めて、慣れたらREAPERに移行するのがおすすめです。この流れが鉄板だと思ってます。DAWの選び方をもっと詳しく比較したい方は同人音声の編集ソフト比較も参考にしてみてください。

REAPERのコスパは本当に異常です。$60の買い切りでプロ級の機能が全部使えます。サブスクじゃないのでランニングコストもゼロ。なぜこの値段で成立しているのか正直よくわからない。 感謝しかないです。

収録環境の構築——マイクより先にカーテンを閉めてほしい

5万円のマイクを反響だらけの部屋で使うより、1万円のマイクを反響対策した部屋で使うほうが良い音が録れます。

ここが一番伝えたいことです。部屋の反響対策のほうが、マイクのグレードより大事です。

5万円のマイクを反響だらけの部屋で使うより、1万円のマイクを反響対策した部屋で使うほうが良い音が録れます。これは冗談じゃなくて本当の話です。僕も最初は「良いマイク買えばいい音になるでしょ」と思ってたんですが、全然そんなことなかった。

お手軽な反響対策

  • カーテンを閉める: 窓ガラスの反射を防ぎます。これだけでも違います
  • 毛布・布団を活用: マイク周りに吊るして吸音。見た目はアレだけど効果抜群です
  • クローゼット内収録: 衣類が天然の吸音材になります。僕も最初はクローゼットで録ってました(狭くて腰がやられた)
  • 本棚を壁際に: 不規則な表面が反射を拡散してくれます

本格的な対策

  • 吸音パネル: 壁に設置(1枚1,000〜3,000円×4〜8枚)
  • リフレクションフィルター: マイク背面の反射を軽減
  • 防音カーテン: 外部ノイズと反響の両方に効果があります

ノイズ撲滅リスト

収録中にノイズを拾ってしまうと後処理が大変なので、事前に潰しておくのが吉です。

  • エアコン: 収録中はOFFにしてます。最大のノイズ源です
  • PC: マイクからできるだけ離す(ファン音対策)
  • 時計: カチカチ音が入るので外します
  • 冷蔵庫: 可能なら電源を切るか離れた部屋で
  • 外部ノイズ: 交通量の少ない深夜〜早朝に収録するのがベスト

真冬にエアコンOFFで収録してガタガタ震えた経験、真夏にエアコンOFFで汗だくになった経験、どっちもあります。季節との戦いは避けられません。 防寒・暑さ対策は真剣にやったほうがいいです。僕は冬はダウンジャケット着て収録してます(見た目は完全に不審者)。

マイクのセッティング

  • 口との距離: 15〜20cm
  • 角度: やや斜め(ポップノイズ軽減)
  • 高さ: 口元と同じ高さ

収録のベストプラクティス

音響チェック・ノイズ排除・ゲイン調整・テスト収録の4ステップを毎回やるだけで、録り直しのリスクが大幅に下がります。

収録前にやること

  1. 部屋の音響チェック(手を叩いて反響を確認)
  2. ノイズ源の排除(エアコンOFF、スマホ機内モード)
  3. マイクの位置・ゲインの調整
  4. テスト収録して音質を確認

この4ステップを毎回やるのが地味に大事です。「前回と同じ設定だし大丈夫でしょ」と思って省略したら、ゲインがおかしくて全部録り直しになったことがあります。あのときの絶望感は忘れられません。

収録中のコツ

  • ゲイン設定: ピークが-6dB〜-12dBになるように
  • 水を用意: 口の乾燥防止。リップノイズ対策になります
  • リテイクは手を叩く: 編集時にリテイク箇所が波形で見つけやすいです
  • 各トラック冒頭に数秒の無音: ノイズプロファイル取得用

手を叩くテクニック、最初は「そんなアナログな方法で……?」と思ったんですが、波形で一発でわかるので本当に便利です。

音声ファイルの設定

設定推奨値
サンプルレート48kHz(収録時)→ 44.1kHz or 48kHz(納品時)
ビット深度24bit(収録時)→ 16bit(納品時)
フォーマットWAV(収録時)→ MP3 320kbps or WAV(納品時)

収録時は高ビットレートで録って、最終的にダウンコンバートするのが鉄則です。劣化は後からいくらでもできますが、品質は後から上げられません。ここだけは妥協しないほうがいいです。

よくある質問

Q. USBマイクでも同人音声は作れる?

作れます。ただし、オーディオインターフェースを経由したXLR接続の方がノイズが少なく品質が安定します。USBマイクは手軽さが魅力なので「まず1本作ってみたい」という段階なら悪くない選択肢ですが、継続的に活動するならXLR環境に移行するのがおすすめです。(僕も最初はUSBマイクでした。買い替えたときの音質差に驚いた)

Q. スマホで収録するのはあり?

ASMRや高品質を求める作品ならおすすめしません。ただしプロトタイプ作成やアイデアメモとしては有効です。「このシチュエーション、実際に声を入れたらどう聴こえるかな」を確認する用途なら、スマホで十分。本番収録とメモ収録は分けて考えるのが大事。

Q. マイクの寿命は?

コンデンサーマイクは適切に保管すれば10年以上使えます。湿気を避けて保管するのが重要で、使わないときは乾燥剤と一緒にケースにしまっておくのがベストです。僕のAT2020もかなり長く使ってますが、まだまだ現役です。機材は大事にすれば長持ちする。

まとめ

機材選びで迷って手が止まるくらいなら、AT2020とScarlett SoloとAudacityで今日から録り始めたほうがいいです。25,000円で始められます。

それよりも部屋の反響対策です。マイクのグレードを上げる前にカーテンを閉めて、毛布を吊るしてみてください。機材より環境のほうが音質への影響がでかいというのは、僕が身をもって学んだことです。

高い機材を揃えてから始める必要はありません。最初の1作を出して、そこから少しずつ改善していけばいい。機材沼にハマるのはその後で十分です。(ハマると楽しいんですけどね。沼だけに)

収録が終わったら次は編集です。ミキシング・マスタリング入門で音声の仕上げ方を解説しているので、あわせてどうぞ。同人音声制作の全体の流れは同人音声の作り方完全ガイドでまとめています。

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